『氷点』三浦綾子

人はどのように生きたらいいのか?
『氷点』三浦綾子
クリスチャン作家が聖書につなぎ、
人のあり方を問いかけ、考えさせられることの多い逸品

『朝日新聞』朝刊に連載された後、
テレビ化や映画化されて以降も繰り返し映像化されるほどのロングセラー

随分前に読んだときとは異なる感情もあり、
名作は何度読んでも惹きこまれることを実感した

「汝の敵を愛せよ」を座右の銘とする
旭川市の院長が不在中、妻と同院勤務医師の密会中に
起きた3歳娘殺害事件、夫は妻を詰問せずに嫉妬心秘める。
亡き娘の代わりの女の子を欲しがる妻には
犯人の娘とは告げずに、幼い女の子を引き取る。
継子が小学1年の時、夫の書きかけの手紙から
妻は事実を知り、首に手をかけ、かろうじて思い留まるが
それ以降素直な愛情を注ぐことができなくなる。
継母による継子いじめ、義理兄妹間の恋愛感情が急展開し
読みとまらなくなった..

主人公継子に感情移入して読み進めるも
健気に明るく生きようとする姿が痛々しい。
一見裕福で幸せそうな家族とは裏腹に
言いたいこと言うべきことをそれぞれが秘め
誤解や恨みが積み重なるのがはがゆい。
一つの命を落としかけそうになる悲劇で
残された遺書一つ一つに
この場に及んでやっとあらわせた想いが込められ
あまりにも辛くていたたまれない..

表題の「氷点」は
何があっても前向きに生きようとする
継子の心がついに凍った瞬間をあらわし
継母にひどい仕打ちを受けた表面的なものだけでなく
人間が生まれながらにして持つ「原罪」に気づいたことであるといわれる。
終わることのない生涯の課題を感じつつ、
胸の痛みが心に残った
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