『夏の庭』湯本香樹実

『夏の庭』湯本香樹実
様々な家庭環境や事情を抱えた少年3人の小学校最後の夏休みは、忘れられない想い出物語となる。
田舎の祖母を葬式に参列した1人の少年の話をきいた、別の少年の疑問
「人はしんだら、どうなるんだろう?」
町外れの古家で一人暮らしのおじいさんがもうじき死ぬらしい
噂を聞きつけ、しんだところを発見するため、3人で観察することになった。
探偵気取りで待ち伏せや尾行するも、
「何か文句あるか」
眼差しでにらまれる様子が可笑しい
たまったゴミ出してあげたり
魚屋である家から差し入れする内にうち解けていく

草むしりを終えて綺麗になった庭に
3人のおこづかいで買えるだけのコスモスの種を蒔いたり
スイカをごちそうになる情景を微笑ましく思い浮かべた

台風の日、戦時中おじいさんがジャングルを敗走したり
皆殺しにして飲食にありついた実体験を聞くに至った。
戦後妻の元に戻らず行方をくらました話から
3人組は、電話帳で名前を探して老人ホーム迄行った。
痴呆で確認しきれなかったが、その行動力は小学生ながら
おじいさんを想う強い気持ちに感動~

8月最後のサッカー合宿から帰った3人が
おじいさんの家で見た光景
鉢に盛られた四房のぶどうが痛々しく
めぐりめぐる回想や想いがつづられて
しばらく涙がとまらなかった…

「大人になったら何になる?」
物語の初めに答えのなかった1人の少年が
「(その夏のことも含めて)
 忘れたくないことを書きとめて、
 ほかの人にもわけてあげられたらいい」
といい、それを聴きいれる家族のやりとりがやさしい

卒業後、3人組は全く異なる方向に進むが
貴重なひと夏を共に過ごした3人それぞれに頼もしさにあふれて
さわやかな夏を終えたような気持ちになった
https://goo.gl/mzopSX

最後までお読み頂き、ありがとうございます